他人の星

déraciné

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

人を死に至らしめるもの(1)

「誰でもめいめい自分のうちにペストをもっているんだ。なぜかといえば誰一人、まったくこの世に誰一人、その病毒を免れているものはないからだ。そうして、引っきりなしに自分で警戒していなければ、ちょっとうっかりした瞬間に、ほかのものの顔に息を吹き…

まぼろし

人っ子ひとり いない 街 交わす声も 言葉もない 交差点 風だけが 行ったり 来たり そんなの 好きかい? 灰色の壁が がたがた ふるえて 見てる 鉛色の シャッターが 重々しく ギロチンのように 落ちて あたまが ころがり 天を あおぐ そんなの 好きかい? い…

『心と体と』(2)

私たちはなぜ死ぬのか? ところで、人は、なぜ、死ななければならないのでしょうか? 結論からいえば、“性”をもっているから、なのです。 地球上に、最初に生命が誕生してから20年の間生きていた生物は、すべて「1倍体生物」と呼ばれるもの(たとえば大腸菌…

『心と体と』(1)

“If you've got love you sights watch out,love bites” ーもし、目の前に、愛が見えたら 気をつけろ、愛は、人を刺すからー “Love Bites” DEF LEPPARD さて、問題です。ジャジャン♪ あなたが、誰かに恋をしたとしましょう。 あなたは、好きだから、その人を…

「サクラ サク」

それは まるで 此岸の おとぎばなし 喧噪 錯綜 迷走 妄想 結局 沈黙 けれども 桜は 彼岸の 花 だから 素知らぬ顔で 花 ひらく 成功 奏功 大成 成就 そんなものを 「サクラ サク」 と いうけれど 桜は 彼岸の 花 だから 死んだように 眠る こと 冬を越え つぼ…

昼間の月

はるか上空で 風が うず巻き うなり声を あげている 空には 雲ひとつない 薄い 白い 爪先のような 昼間の月だけが わたしを 見おろしている 昼にも 月は 出ているのだと さがすときには みつからない 忘れていると 不意を突いて あらわれる それもつかの間 …