他人の星

déraciné

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Pavlov dog

むきだしになった 唾液腺が 呪わしく 狂おしく 反応する その あらわで あからさまな 欲望と 渇望は 見世物小屋の どんな見世物よりも 奇異で あわれで 真実で いま 鳴るか いつ 鳴るか 主人がならす ベルの音を かたずを飲んで 待っているのは 牡蠣 のよう…

シュルレアリスム

少し 前まで は いくばくかの 静寂があった たとえば 信号が 変わる 瞬間 「まて」 が 「すすめ」 に変わる 一瞬 それが いまでは シュルレアリスム それは 彼岸 のものか それとも 此岸 のものか あるいは 無意識に のぞき見る 自らの 深淵から 響くものか …

Phantom

胸に 幾何学模様の ひびが入る ガラスが 割れて 冷たく光る 小さな破片が 体じゅうに 突き刺さる 世界へ向かって 愛を叫ぶのにも すっかり 疲れて しまった 一瞬の 風にしみる 涙も 痛みも 苦しみも きっと 知らぬ間に 胸に 巣喰った 化けものの しわざだ と…

人を死に至らしめるもの(3)

“呪われた”人 「人間は、仲間の見えるところにいるのを好む群居動物であるだけでなく、仲間から認められたい、しかも好意的に認められたいという生得的な傾向をもっている。社会のすべての成員から、そっぽをむかれ、注意を払われないことほど、残忍な刑罰は…

人を死に至らしめるもの(2)

“さあ と私の『魂』は言った 私の『からだ』のために歌を書こう 私たちはひとつのものだ もしも私が死んで 目には見えぬ姿となって地上に戻り あるいは遙か遠い未来に 別の天体の人となり ふたたび歌い始める時があれば いつも微笑みをたたえて歌い続け 永遠…