他人の星

déraciné

サーカス

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       夜の とばりが落ちて


       しはいにん が

 

       眠りについたら

 

       泣いてもいいし

 

       叫んでもいい

 

 

 

       南国の鳥は


       笑うように 鳴くけれど


       そんな声を


       どこで どれだけ


       練習して


       ものにしたのだろう

 

 

       ぼくは 明日

 

       もう明日だという日に
 

       猶予なく


       容赦なく


       ジャングル という名の
 

       サーカスに
 

       たたき込まれる

 

 

 

       笑いながら 泣き


       泣きながら 笑うのは


       道化師 なんて


       洒落たものじゃなく


       舞台もなく


       観衆もない


       ぼく自身だってこと

 

 

       そして

 

       ほかでもない


       ぼくを 監視するのは


       しはいにんの ぼく

 

 

 

       だから


       夜の とばりが落ちて

 

       扉を閉めて


       ぼくが 眠る


       いまだけは

 

       泣いてもいいし


       叫んでもいい

 

 

       ああ

  
       それにしても


       いまいましい


       しはいにんの ぼくのやつ

 

       もう 二度と


       目を覚まさなければ いいのに