キズの持ち主である
この ぼくが
そんなに 痛がっていないのに
どうして 先に
きみが 痛がるんだい?
ぼくには
不思議で
しかたない
それは
きみの 生来の
お節介体質 のせいなのか
それとも
甘ったるい やさしさを
お腹いっぱいに つめこまれて
神経が やられてしまった せいなのか
ぼく は ぼく で
きみ は きみ
ぼくは ぼくの分まで
きみに
痛がってもらいたい なんて
思ってやしない
ぼくが 痛がるまで
そっとしておいてくれ
ぼくが 痛がっても
放っておいてくれ
ぼくが ぼくであるように
きみは きみだと 信じて
頼む から