他人の星

déraciné

「おうちへ かえろう」

 

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        夜更けに からすが 鳴く

       からすは 日が暮れたら

       おうちに帰って

       みんなで 休むと きいたのは

       子どもの頃

 

       夜明けに からすが 鳴く

       ほんとうは

       何もかも 忘れて

       休むことのできる おうちなど

       ないのかもしれない

 

       朝は 朝焼け

       夕焼け 小焼け

       からすの声を きくたび

       淋しくなるのは どうして だろう

 

       オレンジ色の 光が

       目に 痛い

       まぶしさに にじむ 景色

       休めぬ 翼

       木々の間

       叫びにも似た 鳴き声 あげて

 

       帰れる場所は どこか と

       さがしまわる

       誰か 誰か そこに いないかと

       呼んでみる

 

       長い 夜にも

       遠い 朝にも