愛を 叫んで ひと夏
ノドは裂け ぼくは いま
道端に 横たわる
もう 飛べない
もう 鳴けない
両手が かすかに 動く だけ
愛を 叫んで ひと夏
胸も裂け いま ぼくの
細い呼吸を 秋風が
何とか つないでる
思い わずらう 恋は
赤より ずっとずっと 熱い ブルー
すぐ そばで
薄紫の ノアザミが
せめてもの お別れに あたしをあげる と
ゆれている
あたしにも トゲは あるけれど
あんな お高い ばらよりも
ずっと やわらかで 優しいでしょう と
でもね ぼくは
ばらが 好きだった
ばらに 愛されたかった
この胸 どんなに 刺されても
ちからいっぱい 抱きしめたかった
あの 強がりの さびしがりやを
愛を 叫んで ひと夏
ぼくは 道端に
仰向けに 横たわる
ああ 空が こんなにも 高い なんて
し ら な か っ た
でもね
待っていてよ
こんどこそ
ほんとうに 飛んでいくんだ
空と ひとつに なる ために