他人の星

déraciné

あしたの 太陽

  

 

       眠れぬ夜の

       朝は しらじらと 明けて

       太陽は

       低く 重い なまり色の雲を 押しのけて

       むっくりと 顔を 出す

 

       世界は わがもの と

       自信たっぷりの その顔に

       吐き気をもよおす ものが いるなど

       思いも せずに

 

 

       ひとりきりで あした から

       おいていかれる 自分を

 

       あした を 約束しない 

       今日の 太陽を

 

       どれほど 呪わしく 思ったことだろう

 

 

       太陽を 焼き尽くして あまりある

       闇の 炎を

       知りもしない 太陽を

  

       底なしの 憎しみに 背を向け 抗する

       光の あがきを

 

       いったい 誰が 愛せる というのだろうか

       いったい 誰が 許せる というのだろうか