他人の星

déraciné

あいしてル

 

       ひ と

 

       いらだち を 感じる

       いきどおり を 感じる

       いたみ を 感じる

 

       異星人のように 異質で 

       いごこちが 悪くて         

 

       いれば

       いなければいいのに と 思う

       いなければ

       いればいいのに と 思う 

 

       いとおしい と 思うのは

       気まぐれな 晴れ間のようで

       のち

       ずっと 曇り

       のち

       ずっと 雨 

 

       すべては 謎

       濃い霧の はるか 彼方

 

       わたし と 他人(ひと) の間に

       きょうかい線を 引くものは 何

       この 言い知れない

       違和感の 正体は 何 

 

       思いをつたえようとして

       互いに 空気を 振るわせてみたところで

       不協和音の 連続

       どんどん どんどん 音が濁って

       最初の音は きこえない 

 

       “あ・い” って 何 

       いくら辞書 引いて 調べても

       しかつめらしく 思案しても

       てがかりは みつからず

       ルイスイ オクソク 歯が立たず

 

 

       たしかなのは

 

       暗い森の 小径のように

       縷縷と続く 不安と 孤独

 

       ただ それ だけ

 

 

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