他人の星

déraciné

特撮

帰ってきたウルトラマン『悪魔と天使の間に……』(4)

物が散乱し、誰もいない、静まりかえった不気味な病院を、伊吹は、輝夫少年をさがして走ります。 そしてついに、霊安室で、ランドセルに似せた、怪しげな機械を操る輝夫をみつけ、彼の攻撃をかわし、撃ち殺します。 輝夫は、あどけない少年の顔のまま、撃た…

帰ってきたウルトラマン『悪魔と天使の間に……』(3)

危険な“善意” 一方、病院では、輝夫に付きそう美奈子が、輝夫のベッドの上に、紙の花をちりばめて、眠っています。 彼女の、“漂白されたような善良さ”を感じさせる場面です。 おそらく彼女は、他人、とくに、“弱者”には優しく親切にするよう、伊吹から教えら…

帰ってきたウルトラマン『悪魔と天使の間に……』(2)

「人間」と「親」の間で…… MATの隊長であると同時に、父親でもある伊吹は、口のきけない少年と「友だちになってやろうとつとめている」こと、それを娘の優しさや善意だと受けとめ、親として、踏みにじることはできない、と言います。 「何ごとにも汚されない…

帰ってきたウルトラマン『悪魔と天使の間に……』(1)

“罪な可愛さ” 他者や、ものに対する“ほめ言葉”として使われるものに、「かわいい」という言葉があります。 言われた側が、どう感じるかはともかく、この言葉は、「かわいい」、と言った側にも、少なくはない“快感”をもたらすところが、不思議だと思います。 …

帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』(4)

「遠く 離れて 地球に一人」 よくいわれることですが、人間は神ではなく、万能ではありません。 けれども、口でそう簡単に言うほど、この身にしみ入るほどにはわかっていないな、と、私自身、自分でもよく思うことがあります。 人間の想像力にも、限界があり…

帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』(3)

物語の役割 人間の本質への、冷徹なまなざしは、さらに、「日本人」にも向けられます。 MATの伊吹隊長は、郷に、こう言います。 「日本人は、美しい花をつくる手をもちながら、一旦その手に刃を握るとどんな残忍きわまりない行為をすることか」 『帰ってきた…

帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』(2)

混沌とした宇宙は、人間の中にある 良くんは、自分の命の恩人であるだけでなく、親愛の情で結ばれたメイツ星人の“おじさん”と一緒に、メイツ星へ帰るために、毎日、河岸で穴を掘り、そこに埋まっているはずの宇宙船を、懸命に探すのです。 すべての経緯と理…

帰ってきたウルトラマン『怪獣使いと少年』(1)

最近、テレビで、『帰ってきたウルトラマン』を模した某ビール会社のCMを見た……からというわけでもないのですが、久しぶりに見たい、と思ったのが、本作でした。 「昭和」の原風景 長身で、すらりとしたウルトラマンに比して、“日本人体型”の新マン(帰って…