他人の星

déraciné

希望の となり

 

 

       冷たい頬を

       熱い 涙が つたい落ちる

 

       野を 焼き

       木を なぎはらい

       疾走する 溶岩のように

       かなしみが 果てるまで

 

       鋭い爪で 引き裂いたように

       幾筋も 残る

       この胸の 黒い 傷あとを

 

       涙に 赤く

       焼けただれた この頬を

 

       どこに あずければ

       何に うずめれば

       癒えるのだろうか

 

 

       今日の 陽は 尽きて 

       立ち枯れの 木のように

       うつろに ゆらぐ 青白い影を

       月明かりが 照らす

 

       もう 二度と

       この目に 明日の光を 映すことなど

       ないように と

       祈る声 は

       誰の もの か       

 

       地を這い

       内奥から 響く この声は

       いったい どこから 聞こえてくるの だろうか 

 

       

       希望は 絶望の 隣人で

       絶望は 希望の 隣人だ ということを

       知りもしなかった この 耳に

 

 

 

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