2022-01-01から1年間の記事一覧
道端に ぺたりと 座り込み 泣いていた あの日の 午後 力が ひとつも 残っていなくて そうするしか なかった あの日の 午後 思い出せない 思い出せない 遠い むかし 「わたし」 を演じる 「わたし」が もとは 何という名の どんな 「わたし」 だったのか いま…
「わたし、ここにいても、いいのかな」 ところで、「居場所がない」とは、どういうことなのでしょうか。 「学校に居場所がない」、「家庭に居場所がない」などとよく言いますが、そこには、人間の生き死ににかかわるほどの、切実な意味があると思うのです。 …
いつも 思う どうして もっと 波打ち際から 離れた場所に つくらなかった だろう と 潮が満ちれば あとかたもなく 持ち去られる そんな場所に どうして いつも つくって しまうのだろう と 頑丈な砦と 城壁 高い塔も すぐに 潮は満ちて あとかたもなく ねこ…
さて、ここからはネタバレになりますので、ご注意ください。 この世の居場所のなくしかた ーチェンの場合ー 映画は、高層マンションの一室の窓際に座り、タバコをふかすチェンの姿から始まります。 彼は、自分の恋人に拒絶され、その勢いで、親友の妻と、一…
その少年は いつも 膝を抱え 戸口に 座っている 中は まばゆいばかりの 光に 満ちている というのに 彼は 決して 入ろうとしない 「なぜ」 と 問うと 彼は 言う 「幸せは いつも こうして 待っているときが いちばん 幸せ だから」 と その 老人は いつも 目…
マッチ 一本 擦って ぼくは 一本の 缶コーヒーの 夢を 見る ジハンキ から 出たての 熱い缶を 握りしめれば 冷たい指先が じん とする そう ここが いつもの ぼくの 場所 あの 幸せな マッチ売りの少女は 星みたいに光る クリスマス・ツリーに 豪華な ごちそ…
「私は今のところ自殺を好まない。恐らく生きるだけ生きているだろう。そうしてその生きているうちは普通の人間の如く私の持って生れた弱点を発揮するだろうと思う。私はそれが生だと考えるからである。私は生の苦痛を厭うと同時に無理に生から死に移る甚だ…
冷たい頬を 熱い 涙が つたい落ちる 野を 焼き 木を なぎはらい 疾走する 溶岩のように かなしみが 果てるまで 鋭い爪で 引き裂いたように 幾筋も 残る この胸の 黒い 傷あとを 涙に 赤く 焼けただれた この頬を どこに あずければ 何に うずめれば 癒えるの…