他人の星

déraciné

『バットマン ビギンズ』(1)

“クリストファー・ノーラン”

 

 レンタルDVDで、映画でも観たいな。でも、何を借りよう?

 よく、迷います。


 レンタルビデオやさんで、ジャンルの棚の間を、行ったり来たり、迷いすぎて、足が棒になって、くたくたに疲れて、結局、何も借りなかった、なんていうことも、よくあります。

 

 たかが、レンタルビデオなのに………。

 

 パートナーは、「とりあえず何でも楽しめる」ので、私の行動が不可解なようです。

 

 私は、そのときの気分やら、ジャンルやら、いま、自分は何が観たいのだろう、と想像しながら、探します。

 微妙だな、とか、いまいちだな、という映画は、なるべく避けたいのです。

 

 というのも、1時間~数時間、映像作品を観ると、疲れてしまうからなのです。

 

 けれども、お話の世界に浸るのが大好きなので、何とかして、映画を観たいのです。

 

 ですから、いまもむかしも、映画館に行って映画を観る、ということは、あまりしません。

 だいたい、エネルギーを吸い取られて、劇場から出てくることになります。

 大きな画面と光と色、大きな音が、私にとっては、刺激が多すぎるのかもしれません。

 

 

 映画にも、いろいろありますね。

 単に、私の好みの話ですが。


 面白くて、好きな作品。
 面白いけど、好きではない作品。
 面白くて、納得できる作品。
 面白いけど、納得できない作品。

 

 “面白い”は必須ですが、その掛け合わせもあります。

 たとえば、面白くて、好きで、納得できる作品。
 面白くて、好きだけど、納得できない作品………。



 何を観ようか困ったとき、“失敗しない”ために、私はよく、監督さんで選びます。

 単に、好みの話ですが………。

 

 だいたい3本くらい観ると、その監督さんの感覚が、自分の感覚に合うか、合わないかがわかるので、名前を覚えておくのです。


 そして、クリストファー・ノーランですが。


 私は、彼の作品を、よく観ます。

 理由は、面白いから、です。


 2時間を超える作品であっても、退屈せずに観られるというのは、よほど、展開が練られているのだろうな、と思います。


 物語世界の構築もみごとで、ほころびや破綻がなく、安心して、その世界に浸ってみることができます。


 場面構成も音楽も、登場人物のキャラクターも、魅力的だと思います。

 

 

 ………なのですが。

 

 彼の作品は、私にとっては、大抵、どこかに納得できない部分があるのです。

 

 ということで、クリストファー・ノーラン監督作品は、私にとっては、“面白くて、好きだけれども、納得できない”、の部類に入ると思います。

 

 

                             《(2)へ つづく》