2020-01-01から1年間の記事一覧
「誰でもめいめい自分のうちにペストをもっているんだ。なぜかといえば誰一人、まったくこの世に誰一人、その病毒を免れているものはないからだ。そうして、引っきりなしに自分で警戒していなければ、ちょっとうっかりした瞬間に、ほかのものの顔に息を吹き…
人っ子ひとり いない 街 交わす声も 言葉もない 交差点 風だけが 行ったり 来たり そんなの 好きかい? 灰色の壁が がたがた ふるえて 見てる 鉛色の シャッターが 重々しく ギロチンのように 落ちて あたまが ころがり 天を あおぐ そんなの 好きかい? い…
私たちはなぜ死ぬのか? ところで、人は、なぜ、死ななければならないのでしょうか? 結論からいえば、“性”をもっているから、なのです。 地球上に、最初に生命が誕生してから20年の間生きていた生物は、すべて「1倍体生物」と呼ばれるもの(たとえば大腸菌…
“If you've got love you sights watch out,love bites” ーもし、目の前に、愛が見えたら 気をつけろ、愛は、人を刺すからー “Love Bites” DEF LEPPARD さて、問題です。ジャジャン♪ あなたが、誰かに恋をしたとしましょう。 あなたは、好きだから、その人を…
それは まるで 此岸の おとぎばなし 喧噪 錯綜 迷走 妄想 結局 沈黙 けれども 桜は 彼岸の 花 だから 素知らぬ顔で 花 ひらく 成功 奏功 大成 成就 そんなものを 「サクラ サク」 と いうけれど 桜は 彼岸の 花 だから 死んだように 眠る こと 冬を越え つぼ…
はるか上空で 風が うず巻き うなり声を あげている 空には 雲ひとつない 薄い 白い 爪先のような 昼間の月だけが わたしを 見おろしている 昼にも 月は 出ているのだと さがすときには みつからない 忘れていると 不意を突いて あらわれる それもつかの間 …
夜更けに からすが 鳴く からすは 日が暮れたら おうちに帰って みんなで 休むと きいたのは 子どもの頃 夜明けに からすが 鳴く ほんとうは 何もかも 忘れて 休むことのできる おうちなど ないのかもしれない 朝は 朝焼け 夕焼け 小焼け からすの声を きく…
さて、私は、小さいころから、高いところがすごく(すごくすごくすごく)好きで、高いところを見ると、興奮を抑えきれず、走っていってしまうほどの、高所愛好症です。 今は亡き、大好きだった義父が、私の高所愛好症を知って、パートナーの郷里へ帰るたびに…
「さて、目を個人から転じて、今日なおヨーロッパに荒れ狂っているこの大戦(註:第一次世界大戦)に向け、どれほどの野蛮、残忍、虚偽がいまや文化世界の中を横行しているか、一瞥してみて下さい。みなさんは、ほんの一にぎりの、良心を持たない野心家と誘…
「長期間にわたって、道徳的な手本に基づいて行動するよう強いられている人は、この手本がみずからの欲動の動きの表現でない場合には、心理学的な意味では、みずからの力量を超えた生活をしていることになるのであり、客観的には偽善者と呼ばれてしかるべき…
「きれいな」文化 「どんな人にも破壊的で、反社会的で、文化に抗する傾向がそなわっている」 「一部の人々の満足が、その他の、おそらく多数の人々の抑圧の上に成立することを前提とする文化にあっては(現在のすべての文化の現状はこうしたものなのだ)、…
むかし、大学卒業も間近だというのに、私がまったく就職活動をしないのを、当時お世話になっていた助手の先生から、心配されたことがありました。 あなた、いったいどういうところなら、就職する気になるの、ときかれたので、私は、人とつきあわなくてすむと…
「最小関心の原理」 恋愛関係では、自分たちの関係にあまり関心をもっていない方が、その関係のリーダーシップや、運命の鍵を握ってしまう、というのが、対人魅力の心理学でいう、「最小関心の原理」です。 関係への関心があまりない、ということは、関係の…
「将来の夢」 私が小さい頃、何になりたいと思っていたかというと、ファッションデザイナーでした。 どうしてか、といえば、父や母をモデルにして、服のデザインを考え、それを絵に描いてみるのが好きだったからです。 さらにいうと、それを、父や母が、とて…
「じゃあね ママ 明日は きっと いい日 失敗のない いい日」 「そうね 明日は きっと いい日 失敗のない いい日」 ママの声が レモン・イエローの 四角い あかりの中で 言う 階段 降りて ぼくは ネオンサインの 涙(ドロップ)の中へ 映画の中の エキストラ …
人は、自分のものなど何ひとつもたずに生まれてきて、他人の布団の上に寝かされ、そこへ、自分の居場所をつくっていかなければならないという問題を抱えている、と言ったのは、宮崎駿監督でした。(スタジオジブリ『夢と狂気の王国』) このブログの名前も、同…
朝、いつもバスで通る小さなスーパーの前に、「看板犬」がいます。 赤の柴犬で、もう何年も前からそこにいて、だいぶ年をとったのでしょう、最近では、眠っているか、「伏せ」の姿勢で、まぶしそうに目を細めて、朝日を見ています。 その犬が、どんなにまぶ…
いちばん 濃くて 新鮮な ミルク みたいに ちからいっぱい そそがれる 朝の光を まっすぐ みつめて きみは それだけで 満足そうに 目を 細める きみが 少しも おそれないから 「死」も 少しも おそれない まるで 守護天使か 聖母みたいに いつくしみ深い 微笑…
ビートルズの、“Eleanor Rigby”という曲が好きです。 前日の詩は、この曲と歌詞のイメージで書いたものです。 もう何十年も前のことになりますが、私が大学生のとき、ビートルズのアルバムをCDで買いそろえ、ヘヴィローテーションしてました。 おかげで、何…
何億光年 はるか 遠い どこかの 星の 小さな部屋で 誰かが 幻灯機を まわしている そこに 映るのは 何億年も 前に 生きていた 人たちで いま 映像に 見入る その 誰かにとっては 夢のなかの人 同然 なのだけれど 何億光年も はるか むかし そこにあった 蒼い…
「私の眼は彼の室の中を一目見るや否や、あたかも硝子で作った義眼のように、動く能力を失いました。私は棒立(ぼうだち)に立竦(たちすく)みました。それが疾風の如く私を通過したあとで、私は又ああ失策(しま)ったと思いました。もう取り返しが付かないとい…